医療問題と民間の医学

世界のジェネリック薬普及率

ジェネリック薬とは、先発薬の特許が切れた後に、他のメーカーから発売される、ほぼ同種の成分を持った薬の事です。先発薬と比較して、研究開発費が格段に安く済むため、患者にとっては安価に購入出来る点がメリットです。

近年の日本は少子高齢化が進んでおり、それに伴った医療費増大が問題となっています。ゆえに、厚生労働省は医療費削減のため、ジェネリック薬への移行を推し進めています。しかし医者の側が、様々なデメリットを理由にジェネリックへの切り替えを推奨しない傾向にあります。その詳細については、ジェネリック薬が普及しない理由にまとめています。

では、世界の主要先進国に比べて、日本のジェネリック薬普及率は高いのか低いのか、どうなのでしょうか?以下は、OECD(経済協力開発機構)の2011年のデータを元に作った、世界各国のジェネリック薬の普及率グラフです。

世界のジェネリック薬普及率グラフ

数量ベースでは、アメリカは8割以上、ドイツやイギリスも7割を超えており、ジェネリック薬の普及が進んでいる事が窺えます。反面、日本は先進国の中でも特にジェネリック普及率が低く、数量ベースで23%、金額ベースでは9%しかありません。やはり日本は諸外国と比較して、普及率が極端に低いようです。

アメリカやイギリスで普及率が高い理由

アメリカが世界で最もジェネリック薬の普及率が高い理由の一つに、日本のような国民皆保険制度が無い事が挙げられます。そのため、保険未加入者がおよそ5000万人も存在しており、少しでも医療費を安く抑えるために、ほとんどの人がジェネリック薬を選ぶのです。

加えて、アメリカには古くから代替調剤制度があります。代替調剤制度とは、患者が希望した場合に限り、医師が処方した薬を、薬剤師が同一成分の薬(ジェネリック薬)に変更出来る制度の事です(日本でも、2006年から代替調剤制度が認められるようになりました)。

またアメリカでは、FDA(食品医薬品局)がジェネリック薬の品質を保証するリストを掲載したオレンジブックを発行しています。このように、アメリカでは国全体でジェネリック薬への移行が推進されているため、普及率が高くなっているのです。

他に、ドイツやフランスでは、参照価格制度が実施されています。参照価格制度とは、成分と効能が同じ薬をグループ分けし、参照価格を設定して、その価格までが保険で支払われる範囲となる制度です。簡単に言えば、先発薬とジェネリック薬があった場合、保険が適用されるのはジェネリック薬だけで、先発薬を使う場合はほぼ自己負担になるという事です。ゆえに、患者のほとんどがジェネリック薬を選択するため、普及率も上がっているのです。

そして、イギリスでは、国を挙げてジェネリック薬の普及を進めています。その政策の一つが一般名処方制度です。薬には、商品名と一般名(成分名)の二つがあります。例えば、痛み止めの代表的な薬である「ロキソニン」はメーカーの商品名であり、成分名は「ロキソプロフェン」と言います。医師が薬を処方する際、ロキソニンと記述していれば、薬剤師はそのままロキソニンを出さなければなりません。ですが、医師がロキソプロフェンと書いていた場合は、薬剤師はロキソプロフェンの成分を持った薬を自由に調剤出来るのです。現在のイギリスでは、医師は一般名を使うのが主流になっており、結果としてジェネリック薬が多く処方されているのです。

このように、世界各国ではジェネリック薬の普及率を上げるための様々な制度が設けられています。それと比較すると、日本はまだまだジェネリック薬を普及させる制度が不十分なのが実状といえそうです。

 

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