医療問題と民間の医学

ジェネリック薬が普及しない理由

価格の安いジェネリック薬の普及促進は、日本政府(厚生労働省)が医療費の増大を抑制するための切り札と言われています。しかし、主に病院の医者の側が、様々なデメリットを理由に、ジェネリックへの切り替えを推奨しない傾向にあります。

ジェネリック薬とは、先発薬の特許が期限切れした後に、別のメーカーから販売される類似の薬の事です。ジェネリック薬は、先発薬と比べて3〜5割程度価格が安い事が特長です。

新薬の開発には、10〜15年の期間と100億円以上もの研究開発費が必要と言われており、先発薬の価格にはそのコストが上乗せされています。その点、ジェネリック薬はこうした研究開発費用が格段に抑えられる事が、価格が安くなっている理由です。それでいて、成分は先発薬とほぼ同等のため、安全性や効能が確立されている点もメリットです。

海外ではジェネリック薬の普及が進んでおり、2010年時点のデータでは、アメリカでは約90%、イギリス、フランス、ドイツといったヨーロッパ諸国では概ね60%以上となっています。しかし、日本での普及率は40%程度に止まっています(日本ジェネリック製薬協会調べ)。

日本でジェネリック薬が普及しない理由はいくつか挙げられます。その一つが、生産体制の問題です。ジェネリック薬の製造会社は、先発薬会社に比べて小規模な事がほとんどです。特に日本国内のジェネリックメーカーは、株式上場している沢井製薬は例外的で、大半の企業が中小零細です。

こうした小規模な会社は、設備が小さいので生産体制が不安定なケースが多く、薬を安定供給出来なくなるリスクも考えられます。普段使っている薬が、ある日突然入手出来なくなってしまう可能性がある事は、患者にとって大きなデメリットです。ゆえに、医師や薬局が導入をためらう原因になるのです。大規模な製薬会社が多い先発薬の場合は、供給が途絶える心配はまずありません。

製薬会社の癒着も原因の一つ

他に、日本の医師達の責任回避性向の強さも、少なからず影響しています。ジェネリック薬は、先発薬とほぼ同等の成分ではあるものの、完全に同じわけではありません。薬とは極めて繊細なものであり、わずかな成分の違いによって、先発薬には無かった副作用を誘発してしまう可能性もゼロではありません。

ジェネリック薬は臨床試験を行わないケースがほとんどであり、効能や安全性を疑問視する医師も少なくありません。そうしたトラブルを避けるために、ジェネリック薬を処方しない医師が多い事も、普及が進まない理由の一つです。

また、医師と製薬会社の癒着も大きな理由です。先発薬を作っている製薬会社にとって、ジェネリック薬の普及は、自社にとっての死活問題です。ゆえに、ジェネリック薬に乗り換えられないように、医師を接待漬けにして薬を使い続けて貰うよう誘導するケースは少なくありません。

また、癒着まではいかなくとも、医師側の心情として、長い間世話になった製薬会社との関係は、そう簡単に断ち切れないという医者もいます。この医師の感覚は、人情を重んじる日本と、ビジネスライクな海外との差かもしれません。

ジェネリック薬が普及しない理由まとめ
・中小メーカーが多い為、薬の安定供給に不安がある
・先発薬と完全に同じ成分ではない薬もある⇒副作用リスク
・医師と製薬会社が癒着している

上記のような理由から、日本では中々ジェネリック薬の普及が進まないのです。日本は少子高齢化が進んでおり、今後ますます医療費は増大していきます。政府(厚生労働省)も医療費削減のため、ジェネリック薬への切り替えを推進していますが、思ったほど乗り換えが進んでいないのが現状です。

患者側としては、ジェネリック薬の価格の安さは大きなメリットですが、副作用などのリスクがゼロではないことと、ジェネリックを嫌う医師もいる事は、認識しておくべきですね。

 

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